2011年に発生した福島第一原子力発電所事故の放射性降下物から、新たに巨大で極めて高い放射性物質を含む粒子が発見されました。この粒子は、国際的な研究者チームによって、核鑑識技術を用いて分析され、その結果、事故の本質をより深く理解するとともに、除染や廃炉の活動にも役立てられています。

福島第一原子力発電所の事故は、今年で10年目を迎えます。この事故は、太平洋沖で発生した強い地震によって引き起こされ、地元の海岸線を襲った高さ14メートルの津波を発生させました。津波の水が防波堤を突破し、炉心を冷却していた非常用発電機が停止。炉心溶融と水素爆発の結果、大量の放射性物質が環境中に放出され、その中には放射性セシウムを多く含む微粒子も含まれており、225km離れた東京まで到達しました。

最近の調査によると、1号機からの放射性降下物には、直径300ミクロン以上、1個あたりの放射能レベルが105Bqという大きなセシウム含有粒子も含まれていたと判明しています。これらの粒子は、原子炉の敷地から北北西に8kmほど離れた制限区域で発見されました。

地元の土壌サンプル

九州大学の化学者・環境科学者である宇都宮聡氏らは、放射線ホットスポットとなっている道路脇の土壌から採取した31個の粒子を調査しました。

宇都宮氏によると、その結果、福島第一原子力発電所の北3.9kmの地点で、セシウム134とセシウム137の放射能が1粒子あたり105~106Bqと、これまでに福島で観測された中で最も高い値を示す、新タイプの放射性粒子が検出されたといいます。

2つの粒子から記録的な放射能が検出されたことに加え(事故日を調整した後、それぞれ6.1105Bqと2.5106Bq)、これまで1号機の放射性降下物で観測されていたものとは異なる組成と質感があることがわかりました。

野生動物への影響は?

福島第一原子力発電所周辺に生息する動物への影響については、さらなる研究が必要です。例えば、濾過摂食する海の軟体動物は、放射性粒子にさらされるとDNAの損傷や壊死の影響が起きやすいことが以前に判明しています。

セシウム137の半減期は約30年であるため、新たに発見された高放射能粒子の放射能はまだ大きく減少していないと宇都宮氏は述べています。その結果、この粒子は何十年も環境中に放射性物質として残ることになり、今でも放射線ホットスポットで発見されることがあるかもしれません。

今回の研究には参加していませんが、核物質の腐食の専門家であるシェフィールド大学のクレア・コークヒル氏は、今回の研究が震災時に起こった出来事について新鮮な洞察を与えたと述べています。「検査に選定された2つの粒子はわずかな量であったが、膨大な量の化学データが得られた」と同氏は述べ、今回検出されたホウ素同位体の中には、震災で破損した核制御棒に由来するしかあり得ないと付け加えました。

このような放射性落下物に関する研究は、地元地域や野生生物の除染という観点から、現在進行中の福島の浄化に不可欠なものだと断言できるでしょう。